僕とパッド①

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僕がパッドに最初に触れたのは、今からもう6年前のコロナ禍。
外出もままならず、それまで仕事一辺倒だった暮らしのペースが崩れた時、ふと思い立ってかつて弾いていたベースを引っ張り出して楽しんでいた頃。
かつて弾いていた曲をベースでなぞっているうちに、それよりもさらに10年くらい前に、AbletonのLive(当時は7)を購入していたことを思い出し、まだ使えるのかの確認のためにAbletonの情報を調べた時のこと。

ふと見つけた動画に釘付けになった。

こんなふうに演奏できるデバイスがあるの!?と、衝撃を受けた。
今となってはそのPushの操作の過程もそれなりにわかるが、当時は魔法を見ているような感覚に陥った。

これは自分でもぜひやりたい…!そう思った僕は、ありがたいことにまだライセンスが生きていたAbleton Liveをアップグレードし、動画で煌びやかに操作されていた Push2もまんまと購入し、ご満悦だった。

が、何も作業は進まなかった。びっくりするくらい進まなかった。
なにしろ、操作方法がわからなかったのだ。
驚くべきことに、僕はそのまま1年間、なんとなくパッドを触るだけで過ごすことになる。
ネットでAbletonのことを調べていたら見つけた、「無理ない暮らし」というサイトで情報を貪るだけの日々が続いた。
そこで曲の断片となる音のようなものは作ることができるようになった。なんとなくだが。
が、その断片たちを曲に仕上げるにあたっての方法が皆目見当がつかず、時間は過ぎていった。

1年が経った頃、「無理ない暮らし」を書いているうりなみさんがYouTubeライブをやっていると通知が来た。
それまでうりなみさんがYouTubeライブをやるというのは記憶になかったので、ちょうど家にいた自分はライブを見た。その中で、Pushを使っていた。
僕は藁にもすがる思いで「Push買ったけど操作がわかりません」のような泣き言を言った。我ながらどうかしてる。うりなみさんはAbletonのサポート窓口なんかじゃないのにw

ところがそんな僕にもうりなみさんはTwitter(当時)上で、「先ほどコメントくれた方、わからないことあればなんでも聞いてください」とおっしゃってくださり、それから僕はうりなみさんにいろいろなことを教えていただけるようになった。
Pushの操作、Liveの使い方、さらには生活術まで。
うりなみさんと無理ない暮らしから学んだことは多い。

その後、Push3が出ては買い、Moveが出ては買い、とAbletonの熱心な信者のようにデバイスを買い続けた。
仕事がめちゃくちゃ忙しく、音楽を楽しむ時間なんてないのに。
挙げ句の果てに、Abletonの公式で売っているMaking Musicなる本まで買った。英語読めないのに。

今思えば、仕事で時間がないときの気持ちの穴埋めとしてAbletonのアイテムを買い続けたのだと思う。
僕は当時、それくらいにしかお金を使わなかった。他に欲しいものもなかった。
車や家、飲み屋など、仕事中毒の多くの男性が多くのお金を使って夢中になるものには全然お金を使わず、触りもしないAbletonのデバイスにお金を払い続けた。(合間にLaunchpadも買ってますが割愛)

その後、仕事は忙しくなくなり、僕はAbletonを触る時間が持てるようになった。



続く

↓後編です

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音楽と文章が好きで、それにまつわるいろいろなことを書いています。

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