先日、Xで見かけてから読みたいとずっと思っていたWatasinoさんの【「不自由」が音楽を生む】を読みました。
音楽が好きで、機材を買う。けれどもそこから先に何をしたらいいのかわからなくなることが多かった自分は、絶対にこれを読まなければいけないと思いました。
本当は紙で読みたかったのですが、あいにく遠方でしか購入することができませんでしたので、上記ポストを読み、すぐにnoteで購入しました。
文量も、文体も、非常にちょうどいい塩梅で書かれていて、難しい表現もなくスッと自分の心に落とし込むことができる一冊でした。
自分にとって、非常に心に残った部分を取り上げていきます。
「ラップトップというブラックボックス」
ラップトップの情報をマスクする力は強く、属性だけでなく習熟の度合いまで隠蔽してしまう。見た目の上では何をしているかまるでわからないという問題だ。
(中略)
凄さが伝わらないことは、パフォーマンスの説得力を著しく下げる要因となってしまう。「不自由」が音楽を生む 著 Watasino
この部分、よく考えるんです。
動画を見ていても、少し機材に関する予備知識がある自分でも何をやっているのかわからない。かっこいいと思うのに、なぜそれがかっこいいと思うのか、かっこよくするために何をしてるのか。それがわからないことが多いんです。
そういう意味ではPUSHやLinnstrumentなどのパッドを使って演奏するのが、まだわかりやすいのではと思い色々と練習をしていますが、まだ人に見せられる段階にたどり着けず…
難しいものです。
どうにかして身につけたいです。
電子楽器における「身体性」
音響を変化させられることは電子楽器最大のアドバンテージであり、かつ音響に対する身体感覚は電子楽器からしか得られないものだ。そして操作端子の数、それらにアサインできるパラメーターの数が、そのまま電子楽器における制約のひとつとなる。
「不自由」が音楽を生む 著 Watasino
こう教えていただくと、制約は少ない方がいいと考えていた自分の中に、ひとつ大きな疑問が生まれます。
前述したように、あまりになんでもできてしまうラップトップのような機材を用いてしまうと、人から見た時に何をしているかわからなくなってしまう。制約があるからこそ人に伝えることが可能になる。そんなふうに思います。
であるならば、操作端子もアサインできるパラメーターも少ない方が伝わりやすいのでは、となります。
そう考えると、自分のような初心者にとってはそれは福音として機能します。
操作できるものが少ない方が、とっつきやすいからです。
制約があまりになさすぎると、何をしていいかわからなくなる。
そこにあえて縛りを設けることで、自分が何をすべきかを浮き彫りにする。その結果、人から見て何をしているかがわかりやすくなる。
それは、非常に理想的な状態ではないかと思うのです。
買い物
あえて断言しよう。買い物は創作から遠ざかる行為だと。
「不自由」が音楽を生む 著 Watasino
身に覚えがありすぎて震えてしまいます。
なんで習熟もしてないのに次から次へと目移りして新しい機材やプラグインを買ってしまうんでしょうね…あれ、そういうふうにできているんでしょうか。参考書を買って満足して勉強しない、あの現象に非常に近いものだと思ってしまいます。
こうやって断言してもらえると、非常に助かります。
もう、必要なものは持っていると自覚することができます。ありがたいです。
習熟について
第一章において、私は習熟を「機材の操作を学び、自分に必要な機能を見分け、独自の制約を組み立てる段取り」と定義した。つまり、習熟とは自分だけの機材の使い方を確立すること。
「不自由」が音楽を生む 著 Watasino
この本を書かれたWatasinoさん、僕がこれまで言葉を受け取ってわかったような気になって曖昧なまま放置しているものを言語化してくれるのにすごく長けてるんですよね。
非常にわかりやすく、腹落ちします。
まずは自分の手持ちの機材を習熟できるよう、フォーカスして取り組んでみようと思います。
中村修人さんによる寄稿も素晴らしい
最後にご紹介するのは寄稿された文章なのですが、この寄稿も非常に学びの多い言葉がたくさん書かれていました。
中村修人さんの書かれた文章です。
そもそも”音楽”という言葉にクオリティは含まれておらず、単にカテゴリーを表しているにすぎない。また「作品を持たないものは外部から見て活動しているとはいえない」ということも付け加えよう。
「不自由」が音楽を生む 【寄稿】中村修人
紛れもない事実であり、真実なんですよね。
自分のようなビギナーからすると、「音楽」という言葉を使うとクオリティの高いものというふうに捉えてしまうのですが、実は単にカテゴリーを表しているにすぎない。そして、言葉に気圧されてまごついている間に時間は過ぎていき、発表をしないと活動していないことになってしまう。
自分の中では真っ当に足踏みしているつもりなのに、実は全然それ自体が無駄な足踏みだということです。
まとめ
このように、初心者の自分が機材やプラグインを買い、そのたびに悶々とし、また次のプロダクトを買う。そのループから抜け出すのを手助けしてくれる名著でした。
PDFで買いましたが、チャンスがあれば紙でも欲しいくらいです。
新しい機材の情報がXで流れてきたら、まずはこの本を読み返し、冷静な気持ちを取り戻すなどの使い方もできそうです笑
こういう視点の書籍って、ありそうでないんですよね。
書いてくださって、本当にありがたいです。
自分の楽しみ方を模索しつつ、手持ちの機材の習熟度を上げていこうと思いました。
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